【固定残業代って?】
投稿日:2022年11月16日(当記事の内容は投稿日時点のものです。)
皆さん会社の給与明細には「固定残業手当」という表記がありますでしょうか?
「固定残業手当」とは固定残業代のことで、毎月定額で、一定時間分の残業代を支給する手当のことを言います。求人票で「固定残業代を含む」という表記があるのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。ただ、その固定残業代の正しい運用を把握していないとトラブルになることがあるので注意が必要です。
よく勘違いされるケースで、うちの会社は固定残業代をすでに支払っているので、何時間残業しても残業代は出ませんと言われることがありますが、これは残業代の未払いで労働基準法違反となります。固定残業代を採用している場合、上記3にも記載している通り固定残業時間を超える時間外労働などについては、別途支給する必要があります。
そのためにも残業時間がいくら発生したかを正しく把握する必要もあります。
「固定残業」と同じ意味で皆さん同じように使われる「みなし残業」という言葉があります。ここで注意したいのは、労働基準法で定められている「みなし労働時間制」と混同しないようにするということです。
「みなし労働時間制」とは法律で決められた要件のもと、一定の労働時間を働いたこととみなされる制度(例:「事業場外労働制」と「裁量労働制」)です。この制度は残業代の支払いが不要なことが労働基準法で認められています。ただし、休日出勤・深夜労働の割増賃金の支払いは必要です。
「みなし」という言葉が入っているとすべて残業代の支給は不要という勘違いがおきないように注意してください。特に新しく入社される人が雇用契約書に固定残業代の内訳について明記していても、残業代は別途支給されるものだと思い込んでいるケースもあります。誤解のないように雇用条件提示の時には、固定残業代の内訳をしっかりと伝えるようにしてトラブルを防ぐようにしましょう。