【労働組合とは?】
投稿日:2022年5月18日(当記事の内容は投稿日時点のものです。)
毎年、春のニュースで春闘という言葉を皆さんは耳にするのではないでしょうか。これは労働組合が賃金引き上げなどを要求する団体交渉のことです。労働組合というと大企業に多いというイメージを持つ方が多いかと思いますが、一体どんな組織か詳しく知らない人もいるかもしれません。今回は「労働組合」について解説します。
日本国憲法第28条では、次の労働三権を保障しています。
1. 労働者が労働組合を結成する権利(団結権)
2. 労働者が使用者(会社)と団体交渉する権利(団体交渉権)
3. 労働者が要求実現のために団体で行動する権利(団体行動権(争議権))
憲法で保障されている通り、労働組合は労働者が複数集まれば、自由に結成することが可能です。行政機関の認可や届出なども必要ありません。もし、今いる会社に労働組合がないのであれば、同じ会社の従業員が集まり新たに結成することができます。また、社内で労働組合を結成しなくても、一人でも加入できる「ユニオン」と呼ばれる労働組合に加入することもできます。ユニオンとは複数の会社や同業種などの労働者が集まっている合同の労働組合です。これは正社員、派遣社員、パートなどの雇用区分に関わらず加入することができます。
また、会社側は法律で労働組合に対して次の行為を禁止されています。
これは団結権などを確保するために「不当労働行為」として労働組合法で定められています。
「労働組合」の役割は労働条件や職場環境を改善してより働きやすい会社にしていくことです。職場でのハラスメント問題や、長時間労働、未払い残業代など諸々の問題に一人では対応が難しい場合でも、労働組合を通じて、労働者は会社と対等な立場で交渉することができます。また、会社側としては労働組合があることで、従業員の生の声を聞き、より良い会社作りにつなげることができるというメリットがあります。実際、労働組合が結成された後に、労使間の改善がみられたという調査結果もあります。
下記、労働組合の労働者と会社それぞれのメリット・デメリットの一覧になります。
この表を参考に、「労働組合」の結成や活用を検討し、より良い会社作りの手段とするのもよいのではないでしょうか。