派遣社員の勤怠管理は、派遣先と派遣元の双方にとって重要です。法令遵守だけでなく、トラブル防止や円滑な業務遂行にもつながります。派遣社員と安心して業務を進めるためにも勤怠の管理方法と派遣先と派遣元でそれぞれどのような情報が必要かを解説します。
派遣社員の勤怠管理の課題
正確に勤怠状況を管理することが難しい
派遣社員は派遣先企業で労働するため、派遣元企業が一般の企業と同じように直接勤務の状況を確認することは難しいです。派遣社員の勤怠管理は、一般的に派遣元(派遣会社)と派遣先(実際に働いている企業)の双方で協力して行う必要があります。
また、派遣社員は自身の得意とする業務やライフスタイルにあった業務を選択するため、勤務場所の会社も様々であったり働く時間帯といった勤務体系も多くのパターンが考えられます。そのため、勤怠管理も複雑になっています。
派遣先と派遣元で管理する勤怠情報が違う
派遣元と派遣先で取得できる勤怠情報が異なるため、それぞれ以下のような勤怠情報を管理します。
派遣先 | 派遣元企業 |
---|---|
出退勤時間などの労働時間の管理 | 給与の支払い管理 |
時間外労働・休日労働の管理 | 時間外労働、割増賃金の支払い管理 |
有給休暇の管理 |
派遣社員は派遣元企業と雇用契約を結ぶため、給与や残業代の支払い、有給休暇の付与などは派遣元企業の責務となります。一方、派遣先企業は雇用契約はありませんが、実際の労働時間や休日取得の管理を担当し、適法な労働環境を整備する必要があります。
派遣社員の勤怠管理を適切に行うためのポイント
労働時間管理についてのガイドラインを守る
派遣社員も正社員と同様に従業員であるため、国が定めたガイドラインや関連法令に従った労働時間の管理が必要です。特に重要なのが、厚生労働省が策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」です。
参照:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン.pdf P1
このガイドラインでは、使用者が講ずべき主な措置として以下の点が挙げられています:
- 始業・終業時刻の確認と記録
- 自己申告制の場合の措置(実態調査の実施など)
- 労働時間の記録に関する書類の保存(3年間)
- 賃金台帳の適正な調製
派遣社員の場合、派遣元と派遣先の双方がこのガイドラインを遵守する必要があります。特に注意すべき点として:
- 派遣先での実際の労働時間を正確に把握すること
- 派遣元と派遣先で労働時間情報を適切に共有すること
- タイムカードやICカード、PCログなど、客観的な記録を基礎とした労働時間管理を行うこと
- 自己申告制を採用する場合は、実態調査を行うなど、労働時間の適正把握に努めること
これらのガイドラインを遵守することで、派遣社員の労働時間を適切に管理し、過重労働の防止や適正な賃金支払いを実現することができます。派遣元と派遣先が協力して、ガイドラインに沿った労働時間管理体制を構築することが重要です。
関連記事:労働時間管理とは?管理方法や義務化について詳しく紹介
労働時間を正確に把握できるようにしておく
派遣社員は日々の勤務時間が異なったり出勤日も不規則な場合があります。勤務の仕方が複雑になるため、日々の労働時間を正確に管理できることが求められます。タイムカードや勤怠管理システムなどを活用し、正確な勤怠データを収集しましょう。
派遣先・派遣元の双方でルールを決めておく
双方で労働時間や有給休暇取得といった勤怠管理を行うため、お互いのルールをすり合わせておきましょう。労働時間の算出方法が異なると、お互いに考えていた賃金にもずれが出てしまいトラブルの元になります。派遣先と派遣元の双方で認識をあわせてトラブル発生のリスクを抑えましょう。
また、勤怠管理に関する社内ルールを整備し、派遣社員にも周知をしましょう。派遣社員は派遣先、派遣元の双方に勤務状況を伝えたり休暇の調整を行うこともあるため、スムーズに行えるようにしておくとよいでしょう。
派遣社員には勤怠管理システムがおすすめ
自社の社員だけでなく、さまざまな働き方をする派遣社員の勤怠管理を行うなら勤怠管理システムがおすすめです。正確な打刻時間を取得できるだけでなく勤怠管理システムの機能でガイドラインといった法令対応もしながら勤怠管理できるでしょう。
また、派遣元への勤務表の連携や様々な働き方に対応した計算なども、システムを導入することで省力化することができます。
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派遣元か派遣先かに応じた正しい派遣社員の勤怠管理をしよう
派遣社員の勤怠管理は、派遣先と派遣元が協力して情報共有を行うことが重要です。必要な情報を正確に共有し法令を遵守することで、トラブルを防止し円滑な業務遂行につなげることができます。正確かつ迅速に情報共有を行うために、勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。