タイムカードを電子化するメリットと導入に向けてのポイントを紹介

タイムカードは毎朝の出勤・退勤時に打刻をスタンプし労働勤務を証明する資料になります。タイムカードの電子化を検討されている企業は、電子化によって生じる様々なメリット・デメリットを理解して導入を進めることが重要です。

この記事では、タイムカード電子化の重要性やメリット・デメリットだけでなく勤怠管理システムの導入に向けたポイントも紹介します。システムの導入には時間も費用もかかるため、タイムカードから切り替える際の目的や費用対効果などをよく検討して、自社に適したシステムを選びましょう。

タイムカードの電子化とは?

タイムカードの電子化とは、従業員の勤務時間を記録・管理するためのシステムを紙のタイムカードからデジタルな方法に移行することを言います。デジタルな方法は、ICカードやスマートフォン、パソコンを利用した勤怠管理システムからの打刻が当てはまります。

最近では、生体認証やQRコードによる打刻装置も加わり様々な方法が用意されています。ただ電子化するだけでなく、勤怠の不正の防止や業務の効率化につながるうえ、従業員ひとりひとりにあった多様な働き方にも対応しやすくなっています。

働き方改革とコロナ禍の環境変化による背景

2019年4月に施行された働き方改革関連法により以下のような労働環境の変化がおきました。

  • 時間外労働の上限規制
  • 年次有給休暇の確実な取得
  • 労働時間状況の客観的な把握

これらの変化に対応するために、勤怠管理の負担はさらに大きくなり手作業での管理は厳しい状況になっています。

参考:「働き方改革関連法」の概要
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/jirei_toukei/koyou_kintou/hatarakikata/newpage_01128.html

時間外労働の上限規制やフレックスタイム制やテレワークなどの柔軟な勤務形態が推奨されました。従来の紙のタイムカードでは、こうした多様な働き方に対応するのが困難です。電子タイムカードなら、場所を問わず打刻が可能であり、柔軟な働き方に適しています。

加えてコロナ禍の環境変化にともないフレックスタイム制やテレワーク、時差出勤などフレックスな働き方に対応している企業が増えています。会社や従業員にあった勤務形態が増える中で、さまざまな働き方でも正確に勤怠管理をすることが求められています。

タイムカードの電子化の目的

タイムカードの電子化には、以下の3つの目的が上げられます。

  • 労働勤務を可視化し、法制度に準拠した勤怠管理を行うため
  • テレワークなど働き方の多様化に対応するため
  • 手作業を無くし、正確かつ効率的に勤怠管理を行うため

タイムカードを電子化することで、働き方改革やコロナ禍に発生した課題に対応することができます。

タイムカード電子化のメリット

全従業員の勤務状況をリアルタイムに把握

テレワークや全国の支店の従業員の勤務状況をリアルタイムで確認することができます。また、現在の労働時間だけでなく残業時間や勤務状況の確認も可能なため、過重労働者や年次有給未取得者の確認などリスクを持った従業員のチェックも行えます。

また出退勤状況もリアルタイムに確認できるため打刻漏れといった日々のミスにも気が付きやすくなります。ミスを発見・指摘しやすくなることで従業員の意識も高まります。

集計作業の効率化と正確性の担保

デジタルな方法で打刻することで勤怠管理システムに従業員の出勤・退勤時間が自動的に記録・保存されます。これにより、手動でのデータ入力や集計作業が不要となり、時間と労力を大幅に削減できます。また入力ミスや計算ミスなどにより誤ったデータが作成されることもなくなり正確性が担保されます。

特に、多くの従業員を抱える企業では、膨大な量のデータを迅速かつ効率的に処理できることができ業務の効率化に繋がります。

不正行為の防止

他の従業員に貸与しにくいまたはできない、従業員に紐づくアカウント情報やICカード・生体認証を使用した打刻にすることで不正行為の防止につながります。本人が事業所から出退勤打刻を行っていることを証明するために、GPSと連動した打刻や端末が事務所に設置されることが想定される生体認証による打刻を活用すれば、さらに不正な打刻を防止できるでしょう。

紙のタイムカードの場合、手書きによる改ざんや他人への貸与による代理打刻で出退勤時刻を操作し不正に労働時間を変更される可能性があります。労働時間の改ざんは賃金の支払いにも直結するため、注意しましょう。

紙の購入コストや資料の保管コストの削減

紙のタイムカードを使用する場合に必要な購入コストや保管スペースを削減できます。また、労働基準法にて勤務データ5年間の保管が必要となっています。紙のタイムカードの場合は保管スペースの確保や保管方法などを検討する必要がありますが、勤怠管理システムの場合は電子データですのですべてシステムに保管され管理が容易です。

タイムカード電子化のデメリット

初期費用・利用料や導入に関わる作業が発生する

勤怠管理システムの導入には以下のような費用がかかります。

  • カードリーダーといった端末の購入費用
  • システムの初期設定やカスタマイズにかかる初期費用
  • 導入後のシステム利用料や保守費用

特に自社のサーバー上でシステムを運用するオンプレミス型の場合は、クラウド型に比べてシステム連携や機能のカスタマイズなどの自由度が高い一方で、初期導入費用が高額になる場合があります。

クラウド型勤怠管理システムの場合は、販社が提供するサービスを利用するため初期費用を抑えられます。しかし、このサービスの月額利用料は従量課金制が多くあり、利用人数に比例して大きくなります。中小規模の企業なら低額で運用できますが、大企業だと高額になっていまう場合もあるので注意が必要です。

従業員がシステムに慣れるまで時間がかかる

導入当初は従業員に新しい打刻の方法などに慣れない中で運用するため、打刻漏れや出退勤のミス、設定の誤りによる運用の障害が集中するかもしれません。システムの導入には利用者となる従業員の協力は必要不可欠です。運用ルールの周知やマニュアル整備など十分な準備が必要です。

タイムカードの電子化を進めるポイント

課題を洗い出す

困っていることがないのに無理に電子化を進めようとしても、従業員の理解を得られず導入を進めることは難しくなるでしょう。具体的に課題を洗い出して使用する従業員の意見にも耳を傾けることで、協力を得られやすくなるはずです。
いくつか課題の例を挙げます。

  • テレワークをしたい
  • 従業員の勤怠報告にミスが多く効率が悪い
  • 勤怠管理のミスや不正を防止したい

課題を解決できる自社にあった勤怠管理システムを選ぶ

さまざまな勤怠管理システムが存在するため機能の比較検討して、会社の課題を解決できるシステムを選定します。また課題以外にも会社の運用に適しているか、従業員が使いこなせるかなど自社にあった勤怠システムかどうかを大切にしましょう。

例えば、テレワークを導入することが目的ならば、PCやスマートフォンによる打刻・申請機能が必須の条件になります。代理打刻などの不正防止をしたいなら生体認証による打刻機能があるなど、課題を解決できるシステムを検討しましょう。

費用対効果を検討する

初期費用と運用費用がかかるため、費用対効果が高いシステムを導入しましょう。高機能な勤怠システムであっても使わない機能ばかりなら意味がありません。課題を実現できる、自社に必要な機能が網羅されている範囲で適した価格を見極めましょう。

導入ポイントを抑えてタイムカードの電子化を進めよう!

紙のタイムカードを電子化して勤怠管理システムを導入することで、「テレワークなど様々な働き方」を後押しするだけでなく「集計や勤務状況確認の省力化」「不正行為の防止」「コストの削減」などのメリットがあります。タイムカードを電子化する目的や自社の抱える課題を明確にし、最適な勤怠管理システムを導入を検討してみてはいかがでしょうか。

中堅企業や大企業向けには、株式会社オープントーンのクラウド勤怠管理システム「ICタイムリコーダー」がおすすめです。テレワークのような勤務形態にも柔軟に対応し、効率的で安価な勤怠管理を実現します。

勤怠に関するご相談はこちら

無料トライアルはこちら