長時間労働対策はできてる?成功企業事例3選!

近年、働き方改革が叫ばれるなか、長時間労働対策は企業にとって必須課題となっています。法令遵守はもちろんのこと、従業員のワークライフバランスを実現できる環境を整備し、長時間労働対策に取り組むことが求められています。しかし、現状はどうでしょうか? この記事では、長時間労働対策の現状と課題、そして真に必要な取り組みについてご紹介します。

長時間労働とは何時間以上を指すのか

実は、長時間労働とは具体的に何時間と定められているわけではありません。しかし、厚生労働省が所管する「労働基準法」と「働き方改革関連法」によって、法律上の労働時間・時間外労働(残業)の上限は以下の通り定められています。

  • 1日の労働時間:上限12時間
  • 1週間の労働時間:上限40時間
  • 1ヶ月の時間外労働:上限45時間
  • 1年間の時間外労働:上限360時間

各上限を超えないよう、従業員、上長ともに実情を把握し、意識して業務に取り組む必要があります。

長時間労働の問題点

長時間労働は、従業員の健康や生産性、企業の競争力に悪影響を及ぼします。具体的には、過労死や過労自殺のリスクが高まったり、労働災害が増加したり、離職率が上がったりします。

また長時間労働はワークライフバランスを崩し、睡眠不足やストレスによる健康被害も招きます。

長時間労働になってしまう原因とは?

日本の多くの企業で長時間労働が常態化してしまう原因は、複合的な要因が絡み合っており一概に断言することは難しいです。しかし、主に以下の4つの問題が指摘されています。

1. 組織の問題

■業務量が多い・人員不足:業績好調時の繁忙期や、人手不足が慢性化している場合、業務量をこなすために長時間労働が必要になってしまう。
■マネジメント不足:上司が部下の業務量や労働時間を把握できていない、非効率な指示・命令が多い、適切なフォローやサポートがないなどの問題。
■仕事の繁閑の差が大きい:繁忙期と閑散期の差が極端な場合、繁忙期は長時間労働を余儀なくされ、閑散期は業務量が少ない。

2. 人の問題

■長時間労働を美徳とする意識:根性や頑張りが評価される風潮があり、長時間労働をいとわない人材が好まれる。
■個人の裁量権が少ない:上司の指示に従うことが重視され、個人の判断で業務時間内に業務を完結することが難しい。
■ワークライフバランス意識の低さ:仕事とプライベートの両立よりも、仕事に集中することが重要と考える人が多い。

3. 環境の問題

■無駄な事務作業が多い:本来必要のない事務作業や、効率化できる作業が多い。
■会議や飲み会が多い:意思決定や情報共有の手段として、会議や飲み会が多く開催される。
■長時間労働が当たり前という社会風潮:長時間労働が当たり前という社会風潮があり、長時間労働を強いられることに対して声を上げにくい。

4. 企業文化の問題

■サービス残業の横行:時間外労働に対して割増賃金が支払われないサービス残業が横行している。
■上司への忖度:上司の顔色を伺い、残業を断りづらい雰囲気がある。
■成果よりも勤続年数や残業時間が評価される:成果よりも勤続年数や残業時間が評価される風潮があり、長時間労働が推奨される。

これらの原因が複雑に絡み合い、日本の多くの企業で長時間労働が根強く残ってしまっているのです。

長時間労働は、従業員の健康被害や離職率の増加、生産性の低下など、様々な問題を引き起こします。企業にとっても、社会にとっても大きな損失となるため、早急な改善が必要です。

長時間労働対策の取り組み

政府は、働き方改革を進め、長時間労働の是正に取り組んでいます。具体的には、36協定の見直しや時間外労働の上限規制の強化、有給休暇の取得促進などを推進しています。また、企業もテレワークやフレックスタイム制度の導入など、独自の長時間労働対策に取り組んでいます。

長時間労働対策の成功企業事例3選

長時間労働対策は、企業にとって喫緊の課題です。しかし、具体的な取り組み方が分からないという声も多く聞かれます。そこで今回は、長時間労働対策で成果を上げている3つの企業の事例をご紹介します。

1. 徹底した見える化と意識改革で残業時間を大幅削減

A社では、残業時間を正確に把握できる勤怠管理システムを導入し、部門・個人別の残業時間を可視化しました。また、経営層自ら率先して有給休暇の取得を推奨するなど、全社を挙げて長時間労働の削減に取り組みました。

その結果、月間平均残業時間は35.3時間から18.1時間へ大幅に削減、有給休暇取得率もほぼ100%にまで改善されました。

2. 業務改善とテレワークでワークライフバランスを実現

B社では、業務を見直し、ムダを徹底的に削減しました。具体的には、会議の削減、資料作成の簡素化、業務フローの最適化などです。また、テレワーク制度を導入し、従業員が時間や場所に縛られずに働ける環境を整えました。

これらの取り組みによって、平均残業時間は約2時間削減され、従業員のワークライフバランスが大幅に向上しました。

3. 独自の「ノー残業デー」制度でメリハリのある働き方を推進

C社では、独自の「ノー残業デー」制度を導入しています。これは、毎週1日をノー残業デーとし、その日は残業をせずに必ず定時に退社する制度です。ノー残業デーは、従業員がメリハリのある働き方をし、仕事とプライベートの時間を両立することを目的としています。

この制度の導入により、従業員のモチベーション向上や離職率の低下につながりました。

上記はほんの一例です。長時間労働対策には様々な方法があります。自社の状況に合った対策を検討し、積極的に取り組むことが重要です。

長時間労働対策4つのポイント

長時間労働対策を成功させるためには、以下の4つのポイントを意識することが重要です。

1. 経営層のコミットメントが大切

長時間労働対策は、現場レベルだけで取り組むものではありません。経営層が率先して取り組み、全社を挙げて推進することが重要です。経営層が長時間労働是正の必要性を認識し、コミットメントすることで、現場レベルでの取り組みも活発化します。

2. 現状を把握する

長時間労働対策を効果的に進めるためには、まず現状を正確に把握する必要があります。具体的には、残業時間、業務内容、従業員のワークライフバランス状況などを調査し、課題を特定します。現状把握には、労働時間管理システムの活用や従業員へのアンケート調査などが有効です。

3. 具体的な対策をたてる

現状を把握した上で、業務改善、テレワーク導入、ノー残業デー制度の導入など、具体的な対策を検討し、実行します。

4. 効果測定をして改善する

対策を実行したら、その効果を定期的に測定し、必要に応じて改善することが重要です。効果測定には、残業時間や従業員の満足度などを指標として用いることができます。効果測定結果に基づいて対策を改善することで、より効果的な長時間労働対策を実現することができます。

以上4つのポイントを意識することで、企業は長時間労働を削減し、従業員の健康とワークライフバランスの向上、そして生産性の向上を実現することができます。

まずは残業時間を把握して長時間労働を減らそう

日々の勤務時間を正確に計算し、残業時間によって段階的にアラート表示することができる、勤怠システムの残業アラート機能を使ってみましょう。従業員、上長ともに実情を把握し、意識して業務に取り組むことができます。

残業アラートが使える無料トライアルはこちら

長時間労働対策は、一朝一夕でできるものではありません。しかし、継続的に取り組むことで、必ず成果は表れます。従業員の健康や生産性、企業の競争力向上のためにも、ぜひ積極的に取り組んでいきましょう。

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